株式会社I.majorの代表ブログ

ビジネスの話題に少しでも関連した日々の出来事や所感を、このブログに書き連ねるつもりです。宜しくお願いします。

プロとは何か

利益至上主義の現代社会において、人間は誰しも何かの"プロ"にならなければ、人間としての価値がないと見做されてしまう。そういうものである。我々が国の行政サービスの恩恵を受け、何気なく暮らせているだけではおんぶに抱っこで、一人間として示しがつかないのである。プロになって社会に貢献して初めて、いわゆる"人権"が得られる訳である。そこでプロとは何かと考えた。

 

アイドルに焦点を当てる。40名以上の超大所帯の集団アイドルが台頭するまで、アイドルのメインの隊列は少人数制だった。一人一人の芸能人としての価値が十分に担保され、それにニーズがしっかりとあった時代である。そのため一人一人のプロ意識も尋常ではなく、みな高い意識を持って一つの芸能界という世界を形作っていた。なんならソロでもCD100万枚を売り上げるほどのカリスマ性を持ち合わせた人材も、平成初期の芸能界を形成していた。しかし超大所帯の集団アイドルが巷に現れるようになってからは、一人一人への注目が以前に比べ小さくなり、それに比例して一人一人のプロ意識も以前ほどはなくなった。そのためプロとしての高みを目指す意識はそれ相応に生半可なものとなり、根性がなくなり"卒業", "脱退"という言葉を相次いで耳にするようになった。アイドルになることに対するハードルも下がり、辞めることも躊躇しなくなる。アイドルのプロ意識はこのように時代と共に変化してきたと推察される。これは人間の価値として適切ではない。アイドルとしての変革的な利益至上主義のために、その価値観が少し崩壊しているように思える。一握りの人間しかステージに立たなかったあの時代の方が、一人一人のキャリアとしては正常だったのである。

 

そもそも大衆からの視点では、今まで少ないターゲット方に対して応援していたのが、人数が急激に増えメンバーが立ち替わり入れ替わりすることで、他にもっと良い新しいアイドルがいないかなぁ等と、新たな刺激を求めてしまう傾向に変わった。これはスマホが普及しSNSが台頭してきたことによう影響も少なからずある。常日頃目新しいもの、刺激を求めてネット上で漁りまくる意識と行動。これの意識と行動がアイドルに対する応援に拍車をかけた。この大衆の傾向変化と一致したがために、あのようなアイドルの変革的な利益至上主義による売れ出し方が成功したのである。新刺激中毒に晒される現代社会の我々。これは本質的には正常ではないはずである。

 

マッチングアプリというものの存在の台頭も然り。本命がいながら、他にひょっとしたらもっと良い異性がいるかもしれないと、潜在意識として常に新しい刺激を求めてしまっている現代社会に生きる数多の人間。これをビジネスに活かす余地は充分にあるが、1人の"ヒト"としての健全性に着目すると、これは完全肯定できるかと言われたら、少し悩ましいものであると考えた、今日この頃。